人間は星のかけらなのよ。
あのひとが教えてくれた。人が死ぬと星になるという言葉をそのまま信じる年齢は過ぎたけれど、こうしていると自分が星という細胞でできているような気がする。今頃あのひとが星になっているとしたら、僕と同じだということだ。ここにいても、どこにいても。
みんな順繰りに死んでゆく。巻き物みたいに、織物みたいに。人のからだはムースみたいなものだ。自然から来て、自然に還る。形作られて産まれ、形を崩されて無となる。僕はあの人の顔を指の先だけで触ってみたときのことを思い出した。皮がずるっとすべった。けれど、皮は骨にしっかり張りついていて、剥がれたりはしなかった。夏は僕にこの感触を残して過ぎていった。
Posted by hikari at February 25, 2004 01:31 PM | TrackBack